JR福知山線脱線事故の現場カーブ手前で、見習運転士が運転する特急電車が速度超過し、自動列車停止装置(ATS)で緊急停止したトラブルを受け、JR西日本は25日までに、現場のある同線宝塚―尼崎間で当分の間、見習運転士による実技訓練を行わないことを決めた。

 同社によると、社内の養成機関で学科試験に合格した見習運転士は、国家資格の運転士免許を取得するため、実際に電車を運転する実技訓練を受けなければならない。

 見習運転士による今回のトラブルは、55日ぶりの運転再開翌日の20日に発生。特急には約150人が乗車していたが、見習運転士は「ブレーキ操作が遅れた」といい、事故の犠牲者の遺族や近隣住民らから不安の声が上がっていた。同社はこうした声に配慮するとともに、107人が犠牲になった現場での走行は、見習運転士に過度のプレッシャーを与えると判断。すでに同区間では、添乗する指導役の運転士が代わって運転している。
(読売新聞) - 6月26日3時7分更新