福知山線再開

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で不通になっていた同線宝塚―尼崎間(18・2キロ)の営業運転が19日午前5時、55日ぶりに再開された。安全対策や補償交渉など、重い課題を抱えたままの「再出発」となった。

 宝塚駅を午前5時に出発した始発電車には、JR西日本の垣内剛社長と同社労働組合3団体の代表者が事故電車と同じ207系車両の木津行き普通電車の運転台に乗り込んだ。垣内社長は現場のカーブで敬礼し、1、2両目などに乗車した遺族や負傷者らも手を合わせ、犠牲者を悼んだ。

 南谷昌二郎会長は現場線路脇の献花台前で、同社員約50人を前に、「安全を最優先とする企業風土の構築に全力を注いでまいります」と、用意した「私たちの誓い」を読み上げ、献花。制限速度の半分の時速30キロで通過した始発電車を、全員が敬礼して見送った。

(読売新聞) - 6月20日1時39分更新