JR福知山線脱線事故で負傷した乗客らの初の交流会が12日、兵庫県川西市小花の市民活動センターで開かれた。

 参加した26人からは、「事故直後の車内の状況がよみがえる」といった心の悩みや、補償交渉の進め方に対する不安の声などが相次ぎ、同席した臨床心理士や弁護士らがアドバイスした。

 同市のNPO「市民事務局かわにし」が企画。非公開で行われ、参加者や三井ハルコ事務局長(49)らが交流会終了後に記者会見した。

 参加者からは「周囲は日常を取り戻していくのに、自分だけが取り残されていくようで怖い」、「後遺症も補償交渉の対象になるのか心配」などの相談のほか、運行再開に対して「安全性がしっかり検証されるのか疑問だ」などの意見も出たという。

 2両目に乗っていて首などをけがした同県西宮市の会社員小椋聡さん(35)は「参加者と思いを共有できて安心した。JRという大企業相手なので、補償交渉についても連携し、情報交換しながら進めていきたい」と話していた。
(読売新聞) - 6月12日23時32分更新