JR西日本は4日、兵庫県尼崎市の福知山線脱線事故直前の肉親の姿を見たいという遺族に対し、4月25日の事故当日に電車が発着した川西池田駅ホームの防犯カメラの映像を公開した。

 遺族十数組が宝塚市と三田市のホテルの一室で、約5分間の映像を見た。映像には、2、3両目に乗り込む多数の乗客が映っているという。

 遺族の女性は「テレビ画面をコマ送りしながら探した。本人の影が映っていたような気がしたが、結局、よく分からなかった」と話した。妻を亡くした男性は、談笑しながら電車を待つ乗客が映し出された瞬間、「ひょっとしたらこの人たちも……」と涙があふれ、手を合わせたという。「妻は確認できなかった。元気な姿を見たいと思って来たが、映っていたら正視できたかどうか」と複雑な思いを語った。

 JR西日本では、10日まで映像を公開する予定だが、要望があれば随時受け付ける。
(読売新聞) - 6月5日9時18分更新