107人が犠牲になった兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、負傷者は549人に上り、うち139人が入院中で、6人が重体であることが23日、兵庫県警尼崎東署捜査本部の調べ(5月19日現在)でわかった。犠牲者は大半が1、2両目に集中していたとみられるが、乗車車両が確定したのは50人で残る57人は不明のまま。兵庫県警は被害者支援の一環として、乗車位置を遺族に伝える方針で、特定を急いでいる。
 県警によると、負傷者の内訳は男性217人、女性332人。うち、入院者は男性50人、女性89人で兵庫県内26、大阪府内11の医療機関で治療中。男性2人と女性4人が意識不明などの重体で懸命の治療が続いている。
 一方、業務上過失致死傷容疑で調べを進める捜査本部は、これまで約400人から事情聴取した。JR西日本関係では、高見隆二郎運転士(23)=事故で死亡=所属の京橋電車区の区長らのほか、運転士、ダイヤ編成担当者から聴取を進め、事故当日の無線のやり取り▽高見運転士の運転技術や勤務状況▽「日勤教育」の実態▽余裕のないダイヤ編成――などを調べている。また、乗客276人や現場周辺の目撃者からも話を聴いた。
(毎日新聞) - 5月23日23時27分更新