クールビズ

毎日新聞より

ネクタイ製造業者などでつくる日本ネクタイ組合連合会(小堀剛会長)は8日、政府が提唱する夏の軽装化(愛称クールビズ)運動で、ネクタイ業界が打撃を受けているとして、小泉内閣の閣僚全員に「ノーネクタイ、ノー上着」というキャッチフレーズの使用中止などを求める要望書を郵送した。
 要望書は、小池百合子環境相が「男性がネクタイをはずせば、女性のひざ掛けがいらないオフィスになる」とコメントしたことについて「個別商品を排除している」と抗議。「ネクタイを締めなければ地球温暖化防止が達成されるかのような広報活動は再考されるべきだ」と訴えている。
 特に父の日(今年は6月19日)に近いタイミングで「クールビズ」のキャンペーンが始まったことは「業界にとって死活問題」だと指摘。父の日はネクタイ業界が1966年に提唱して広まったイベントで、業界にとってかき入れ時だが、連合会は「年間約2000億円(推定)のネクタイ業界の売り上げを2~3割減らすのではないか」と予測している。
 小堀会長は「クールビズに反対しているわけではないがノーネクタイばかりが目立つと、中小企業が多いネクタイ業界ではつぶれる会社が出てくる」と話している。


そもそもクールビズとは政府が提唱している、地球温暖化を防止するために夏のオフィスの冷房温度を28℃程度に設定することを広く呼びかけているもので、その一環として28℃の冷房でも涼しく効果的に働くことがてきるような「夏の軽装をクールビズと名づけています。


この背景には京都議定書の発効があるわけですが、これは1990年を基準として日本は二酸化炭素の排出量を6%減らさないといけないということです。ちなみに2003年度は1990年度ベースで7%増でした。2012年までのあと7年間で13%減らさないといけないということになりますね。


では、この「クールビズ」でどれだけの二酸化炭素が削減できるかというと、夏の冷房の設定温度を現在の26.2℃から28℃に1.8℃に上げることを全ての事業所等で実施した場合、ひと夏で約160~290万トン削減できるそうです。かなり大量の削減になると思われますがこの量では京都議定書の約0.1~0.2%に相当する量です。意外と少ないですね。これだけでは6%の削減にはまだまだです。


ネクタイ業界についてですが、このクールビズにより年間40~60億円の売上減少すると予測されていますが、そもそもネクタイをする人口は団塊世代の引退やフリーター、ニートの増加によりマーケットは縮小しているのは事実です。しかしながらネクタイを必要としている人は確実に存在し逆の発想をすれば冬の厚着でネクタイの需要を作ることも可能だということです。

私が言いたいのはクールビズを悲観的に捉えて批判するよりは企業努力により新しいネクタイマーケットを掘り起こすことができれば市場はまだまだ可能性があるということです。ネクタイ業界には頑張っていただきたいものです。