尼崎脱線事故で、長女の中村道子さん(40)を亡くした母の藤崎光子さん(65)=大阪市城東区=と、道子さんの友人ら約10人が4日、献花台の周辺で、他の遺族たちに「互いに悩みを打ち明け、支えあう場をつくりたい」と呼びかける文書を配った。文書の配布を約束しているJR西日本に対する不信感から、直接手渡した。この日までに4遺族から連絡があったほか、遺族以外の人からの激励のメール10通が届き、藤崎さんは「私たちだけではないんだと、心強い気持ちです」と話している。6日には信楽高原鉄道事故の遺族代表と会い、今後の進め方を話し合う。
 藤崎さんは2、3両日、同社に対し、遺族に呼びかけ文を手渡してもらうよう要請した。しかし同社はいったん約束した後で拒否したり、「呼びかけの文面を修正すれば配る」と注文を付けるなど、対応が二転三転。藤崎さんは最終的に「JRの冷たい態度には新たな憤りを感じる」などの表現を削除して同社に渡した。
 しかし、不信感はぬぐえず、削除前の原文を遺族や関係者に直接手渡した。藤崎さんは「私たち家族だけの力では何もできない。一人でも多くの遺族と知り合って助け合いたい」と話した。これに対し同社広報室は「藤崎さんの思いは理解しているが、(文面は)誤解を与える可能性があり、文言の変更をお願いした」としている。
 藤崎さんの連絡先はファクス(06・6367・1920)かメール(arakusa@gc4.so-net.ne.jp)で。